いつもとは違う背中の痛みでパドルができない《 後編 》
先日投稿した肋骨に沿った痛みでサーフィンが出来なくなってしまった女性ロングボーダーの記事の続編です。
医療機関で検査をした結果、肋骨に骨折などはないと診断されたようです。とりあえずはホッとひと安心ですが、一週間後に私のところへ来た時にも痛みは続いている状態。
さっそく詳しく体をチェックしたところ、胸椎において椎間関節症候群を引き起こしていることがわかりました。
対応としては
① 痛みを訴えていいるポイント周囲の筋肉をリラックスさせる
② 胸椎椎間関節の屈曲可動域の改善
③ 腹部の安定性の強化
の順番に行いました。
再度パドリングの姿勢をして動いてもらったところ痛みは消失。この女性は関節の柔軟性は非常に優れているのですが、腹部の筋力(安定性)が低いのが特徴的でした。
このようなケースではパドリングしているとき、おなかの一点で体を支えるため不安定な状態になります。その不安定性を背筋群で補うことになるので背中や腰を強く緊張させたままになります。背中をぐっと反るようにするタイプですね。反る姿勢が定着してしまった結果、背中を丸めることができなくなってしまい、関節のトラブルに発展したというわけです。
パドリングはみぞおちから恥骨のあたりまで、おなか全体で支えることで安定感がグッと増します。すると背中や腰に余計な緊張は必要なくなります。腹圧を高めるブレーシングのエクササイズや、おなか全体で支えるパドリングの姿勢を意識してつくれるようにレクチャーしていきました。
腹部を安定させていくことは今後の彼女のサーフィン障害の予防に大いに役立つことと思います。